
本センターは、日本人移住者の営農の安定とその振興を図ることを目的としてボリビア国サンタクルス県のサンファン移住地に設置されたサンファン指導農場(1961年4月開設)と、同県オキナワ第2移住地に設置されたヌエバ・エスペランサ畜産試験農場(1971年10月開設)とをその前身とします。
1985年、これら2つの試験農場がボリビア畜産総合試験場として統合され、オキナワ第2移住地でその業務を開始するとともに、サンファン試験農場の運営はサンファン農牧総合協同組合(CAISY)に移管されました。
1990年に、ボリビア畜産総合試験場は、畜産のほかに畑作や永年作部門を追加して移住地の農業全般を対象とする「ボリビア農業総合試験場(CETABOL)」に改称し、試験研究や普及活動を行ってきました。
広大な原始林に恵まれたサンタクルス県は、農業ポテンシャルが高いにもかかわらず、急速な農業開発による農地の荒廃や環境破壊が深刻化しています。この対策として試験場は、日本人移住者や日系移住地を介して周辺地域に農業が普及してきた経緯をふまえ、これら移住地への持続的な農業技術の普及とその営農技術の向上を通じ、サンタクルス県の農業生産の安定化を目指してきました。
なお、試験場は、国際協力機構(旧;国際協力事業団)がその運営にあたってきましたが、2001年2月から、JICAとボリビア政府との合意に基づき、日系農家だけでなくボリビア国全体の営農技術の向上に寄与することを目指す(同機構が実施する)技術協力プロジェクト事業の1つとして運営されています。
2005年4月から、ボリビア農業総合試験場は「ボリビア農牧技術センタ−(CETABOL)」に改称してプロジェクトのフェ−ズ2を開始しております。
2001年2月から2005年3月まで実施された技術協力プロジェクト「ボリビア農業総合試験場計画(フェーズ1)」に引き続き、「ボリビア農牧技術センター計画(フェーズ2)」を実施しています。
改良肉用牛の生産や配布、地力維持増進技術の普及、低コストで環境保全型の営農技術の普及、営農サービスや技術訓練機能を提供するための体制確立に向けたフェーズ1の目標がほぼ達成されたため、フェーズ2では、ボリビア国サンタクルス県の熱帯湿潤地域における営農技術の改善とその普及の拠点として本センターを整備するため、以下の活動を2010年3月まで行ないます。
1)農業技術情報を収集及び検証する体制の整備
病害虫・土壌肥料・肉用牛等に関する農業技術・農業情報を収集し、検証します。
2)検証された農業技術を普及実践する体制の整備
収集・検証した技術や情報を周辺農家に広く普及します。持続的な農業生産に資する畑地・
草地輪換作付け体系技術等の普及にも引き続き取り組みます。
3)公的認証機関として検査・分析等を行える体制の整備
公的な認証を得た機関として農牧地の土壌・飼料・水質等の分析を行なうべく、必要な措置
を講じます。
4)安定的な農業生産のための技術支援サービスの実施体制の整備
周辺農家の農業生産性の向上のため、農薬の散布や収穫、乾草やサイレージ生産といった特
定の作業に対して支援サービスを提供します。
なお、本センターの運営は、フェーズ2が終了する2010年3月までに、サンファン移住地及びオキナワ移住地にある農牧総合協同組合(オキナワ農牧総合協同組合(CAICO)及びサンファン農牧総合協同組合(CAISY))が設立する法人に移管される予定です。フェーズ2では、移管に向けた準備をこれら2つの農協と協議しながら進めていきます。
本センターは、ボリビア国内の大豆や小麦の主要生産地であるオキナワ第2移住地、西経62度54分、南緯17度23分、高度280mに位置します。
年間平均気温は23.9度で、年降水量は1,239.1mmです。所有地は366haで、その内容は以下のとおりとなっています。
施設用地 11ha
試験圃場 45ha
果樹等展示圃 11ha
放牧地 250ha
道路他 15ha
原始林 34ha
計: 366ha
本センタ-が主な協力対象とする日本人移住地は、ボリビア国内に2ヵ所あります。これら移住地の概要を紹介します。なお詳細は、各移住地の日本ボリビア協会、農牧総合協同組合にご照会ください。
サンファン移住地は日本とほぼ同じ面積(371千km2)のサンタクルス州にあり、サンタクルス州イチロ郡サンファン市に属します。州都サンタクルス市から北西方向に国道4号線で移住地入り口まで124kmの距離を有します。雨季と乾季の区別が明瞭なサバンナ気候区または亜熱帯雨林気候に属します。気温は年平均24.1℃、最高気温の年平均は29.1℃、最低気温の年平均は19.4℃です。年間の平均降水量は1,881mmであり、降雨の様相は、雨季には雷を伴う集中豪雨か長雨型であり、最後に豪雨となる型が多く、水害を併発させ、乾季には驟雨型が多くなります。
昭和30年(1955)7月に試験的移民者計88名が入植後、以来1992年まで第53次に亘り302家族1,634名と単身者51名の合計1,685名が入植しました。なお、2005年1月に移住地を含む地域がサンファン市となり、同市の人口(2001年)は9,388人、うち日系人総数(2004年12月末)は744人(234家族)で、日系移住地には多くのボリビア人が暮らしています。
営農形態的に見ると、入植当時は原始林を伐開しての焼畑農業でした。稲作(陸稲)栽培がすでに主流となっていましたが、トウモロコシ、キャッサバ、甘薯、豆類の栽培記録も残っています。移住者の栄養補給源として当時より各家庭で飼育されていた鶏は1961年の養鶏組合発足前後から増加し、1970年代後半には移住地での飼育羽数がボリビア国全体の30%前後を占めるまでになりました。養鶏・鶏卵は現在でも同移住地の基幹をなす産業であり、同移住地農協では、外部からの雛の導入による種々の問題に対処するため、鶏病予防センターのほか、独自の種鶏場、孵化場、育雛場等を建設し、一貫した雛の供給や鶏卵の販売等を行っています。また、1966年に開始された機械による耕地造成の後、年々600haほどの機械耕地造成が行われました。裏作としての適作物がなかったことから大豆の試験的な栽培が1969年に行われ、種子用として栽培が続けられています。現在のサンファン移住地の営農は養鶏・鶏卵、陸稲、大豆、柑橘類等が主流を占めています。近年ではマカダミアナッツ、水稲の栽培が普及しはじめ、農業経営は多様化されてきております。農家の平均所有面積は約320haとなっています。
作目 |
面積(ha)及び頭羽数 |
ダイズ (2004年冬作) |
8,125
ha |
|
ダイズ (2004/2005年夏作) |
1,531
ha |
|
陸稲 (2004/2005年夏作) |
6,309
ha |
|
水稲 (2004/2005年夏作) |
6,392
ha |
|
カンキツ (2004/2005年) |
697
ha |
|
マカダミア (2004/2005年) |
381
ha |
|
牛 (2004/2005年) |
4,381
頭 |
鶏 (2004/2005年) |
1,113,000 羽 |
サンファン農牧総合協同組合調べ
サンファン日本 ボリビア協会
(Asociación
Boliviano – Japonesa San Juan de Yapacaní)
Tel.
: ++934−7024 7055 7081
FAX
: ++934−7290
E-Mail : sanjuan@abj-sanjuan.org.bo
サンファン農牧総合協同組合
(Cooperativa
Agropecuaria Integral San Juan de Yapacaní - CAISY)
Tel.
: ++934−7006 7063 7064
FAX
: ++934−7115
E-Mail
: caisysj@cotas.com.bo
オキナワ移住地は上記サンファン移住地と同じサンタクルス州にあり、正式にはサンタクルス州ワルネス郡第二行政区オキナワ村に属します。州都サンタクルス市から北東方向に国道4号線で移住地入り口まで約70kmの距離を有します。サンファン移住地とは約100km離れております。雨季と乾季の区別が明瞭なサバンナ気候区に属します。気温は年平均23.9℃、最高気温の年平均は29.5℃、最低気温の年平均は18.9℃です。年間の平均降水量は1,239mmで、サンファン移住地との降水量差は640mmあります。降雨の様相は、雨季には雷を伴う集中豪雨型です。特に豪雨の後では、近接しているグランデ川の氾濫を引き起こされ、農業に深刻な被害を及ぼすことがあります。
同移住地への入植は、第2次世界大戦後、米軍指導下にあった琉球政府が1954年に「ボリビア計画移民」を公募したのに端を発します。初回の移住者(第1次、第2次)は計397名でしたが、入植地(ウルマ)に病名不明の熱病が発生し、15名の犠牲者を出したことなどから、入植地変更を余儀なくされ、最終的に現在のオキナワ移住地に定着しました。「琉球政府計画移民」は1979年の第19陣まで続き、合計584家族、3,385名の沖縄出身者が移住しました。その後、仕事を求めて多くのボリビア人が移り住んできたこともあり、移住地を含む地域は1998年行政区(ワルネス郡第二行政区オキナワ村)に制定されました。同行政区の人口(2001年)は11661人、うち日系人総数(2004年12月末)は890人(241家族)となっています。なお、オキナワ村はオキナワ移住地第一地域北側から、第三地域南側まで約60kmあります。
営農形態としては、入植当時は表作に陸稲、裏作にトウモロコシが生産されていました。しかし、1968年前後から恒常的な旱魃に見舞われたことから、1970年から旱魃に強いとされる綿作が主流となります。しかし、その綿作も、最初の2〜3年は順調でしたがその後皮肉にも雨量が増えて衰退しました。移住者は膨大な借金を抱えることとなりましたが、機械化農業が展開されていたため、大豆・トウモロコシ・キビ・ひまわり・小麦及び牧畜、養豚等が取り入れられました。農牧総合協同組合が、付加価値をつけるための飼料生産工場、製油工場、種子選別工場を設置するとともに、流通面にも手を広げたことで、近代的な農業経営が行われるようになりました。農家の平均所有面積は約420haとなっています。
営農形態(2003年〜2004年)
| 作目 |
面積(ha)及び頭羽数 |
ダイズ (2004年冬作) |
4,732
ha |
|
ダイズ (2004/2005年夏作) |
26,718
ha |
|
稲作 (2004/2005年夏作) |
|
|
トウモロコシ (2004/2005年夏作) |
930
ha |
| ソルガム (2004年冬作) | 5.549 ha |
|
ソルガム (2004/2005年夏作) |
60
ha |
|
コムギ (2004年冬作) |
9,064
ha |
|
ヒマワリ (2004年冬作) |
343
ha |
|
サトウキビ (2004/2005年夏作) |
445
ha |
|
牛 (2003年) |
15,633
頭 |
豚 (2003年) |
5,268
頭 |
鶏 (2003年) |
20,700 羽 |
コロニア沖縄農牧総合協同組合調べ
Tel.
: ++923−7106 7020
FAX
: ++923−7029
E-Mail
: abjok@cotas.com.bo
Tel.
: ++03-32-6410 33-1374 34-4758
FAX
: ++03-32-3733
E-Mail : caico@cadex.org スペイン語/日本語
: caiconews@cotas.com.bo
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